柿渋染めに用いられる柿のお話

秋になると、橙に色づく「柿」。柿といえば、秋を連想させる果物として有名です。布一途ではこの柿の色合いに惚れ込み染物を取り扱っております。こちらでは、意外と知られていない柿渋の材料である柿のことについてご紹介します。

日本の「柿」

古くから馴染み深く、秋の風物詩としても用いられている柿には、1000種以上の品種があるといわれています。そして、そのルーツは東アジアにあるとされ、その中でも甘柿に関しては日本生まれのものなのです。 しかし、そんな柿も元から日本にあったわけではなく、弥生時代辺りに日本へ渡来したのではないかという説が有力になっています。古墳時代の遺跡からは出土しなかった柿の種が、弥生時代の遺跡から見つかったことが、その理由です。その後、平安時代には、今と同じように柿を干し柿にして食べていたという記録があり、鎌倉時代には柿渋を利用して川魚を獲っていたという記録も残っています。

「柿」は世界でも「KAKI」

柿の学名は「Diospyros kaki」(ディオスピロス・カキ)で、実はヨーロッパでもKAKIと呼ばれているのです。これは、甘柿を日本がヨーロッパへはじめて伝えたことに端を発しています。ヨーロッパへ伝えられたKAKIは、その後アメリカ大陸へと渡り、世界へと広がっていったのです。 ディオスピロスというのは、ラテン語で「神から与えられた食べ物」という意味で、スウェーデンの植物学者であるツンベルクが名づけました。彼は、柿を見て東洋のリンゴと称したそうです。また、神様の食べ物のようにおいしいからともいわれています。

「柿」の柿渋

山柿などの渋柿から作られる柿渋は、中国では4世紀のころ(日本は古墳時代)からあり、日本でも平安時代にはすでに衣染めなどで活用されていたようです。様々な利用方法が記録されるようになったのは、江戸時代からになります。染料として庶民に愛されていたほか、塗料として家の柱や床下、木製の日用品などに塗られたり、和紙を丈夫にするために和紙に塗られたり、日本酒の諸味を搾る酒袋にも使用されていました。柿渋は、生活に欠かせないものだったのです。 戦後、技術の進歩によって様々な化学物質が台頭してきたことにより、柿渋の姿を目にすることが少なくなりました。しかし、近年になると、化学物質による環境や身体への影響が懸念されるようになり、もう一度天然の素材である柿渋に注目が集まってきています。

このように、柿や柿渋は古くから私たちと共にあった存在なのです。 布一途は、そんな柿渋を使った染め物の通販サイトです。ストールや衣服、鞄、アクセサリーといった商品を、一つ一つ丁寧に制作しております。自然のまま、個性豊かな表情を持つ柿渋染めのアイテムを、日常に取り入れてみませんか?兵庫県の篠山にありますギャラリーでは、染め物体験も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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